|
|
東洋医学で「美容と便秘」は密接な関係にあります。便秘がつづくと、吹き出物が多くなることを経験的に実感している方は多いでしょう。漢方では普段の排便で排出しきらない便を「宿便」と呼びます。「宿便」が多くなると、血液が汚れ「ヲ血」(●は「やまいだれ」の中に「於」─以下同)となります。肌の細胞もみな血液によって栄養されるわけですから、「ヲ血」が多くなると、当然、吹き出物やしみ、肌荒れなど起こしやすくなります。また「ヲ血」は生理不順などからも起こります。
漢方では東洋医学独特の「証」という捉え方で、根本的なあなたの体質を捉え、改善または治療していきます。便秘や「ヲ血」が解消され、血液がきれいになれば、その結果、あなた自身が本来もつ肌の美しさを取り戻すことができるのです。
|
|
|
|
|
|
冬の手足の「冷え」、夏の冷房下での「冷え」の症状にお困りの女性は大勢います。にもかかわらず「冷え」という症状は西洋医学では軽視されがちな症状です。残念なことに治療法として効果的なものがあまりありません。
しかし実際には夜間頻尿で何度も目覚め、よく熟睡できなかったり、小水がトイレまでもたなかったり、手足がじんじん冷えて困っている方が沢山います。また冷え性でいつも風邪を引いているという人もいらっしゃいます。
漢方の分野では非常に効果的な治療法を古くから確立していました。冷え性は漢方では血、水、気の代謝不全と考え、それらの代謝を改善してあげれば冷え性も改善されるのです。たとえば風邪薬として知られる葛根湯も細菌やウイルスを殺すというより、気血のめぐりをよくして体を温め、筋肉の緊張を緩和し発汗させます。その結果肩こりの症状を改善させ、風邪を追い出すのです。血の代謝改善薬としては当帰芍薬散がありますが、当帰芍薬散は女性の聖薬とも言われ、女性の手足の冷え性だけでなく、生理痛を改善し、精神的な安定をもたらす効果もあります。水の代謝不全による冷え性には苓姜朮甘湯や八味地黄丸がよく用いられます。
|
|
|
|
|
|
漢方には、「ヲ血」という考え方があります。ヲ血とは血液中の老廃物の蓄積または汚れのことを意味します。ヲ血があると、ホルモンバランスが狂い、生理時の痛みが健常人より強くなり、生理不順を生みます。治療では「ヲ血」をきれいにする「駆ヲ血剤」を主に用います。また生理不順、生理痛といっても、冷房の強い職場とか、また更年期にかかっているとか、その人の年齢や職場、生活環境によっても、症状の現れ方が異なってきます。
したがって、「駆ヲ血剤」といってもさまざまな種類があり、個人の体質によって使う薬が異なりますので、私たちは、個々のケースを配慮しながら、十分な相談をおこなった後、それぞれに合った薬剤をお選びします。
|
|
|