3月は1年のうちでもっとも気候変動の大きな月であり、その温度差のため、心臓や脳血管系やてんかんや発作が起こりやすく、そして筋肉、関節系の疾患の悪化しやすい時期でもある。
私の場合であれば、学生時代、柔道で腰を痛めて以来、腰痛の再発はその9割が3月に起こるので、気をつけているのだが、ある年、3月も末になり、つい油断して31日にぎっくり腰を起こしたことがある。花冷えの雨の日にお通夜があって、そのときの冷えにやられたのである。
腰や関節に持病のある人は、朝夕の冷えるときに特に気をつけなければならない。花冷えの日の外出のときは、腰や肩胛骨の間に使い捨てカイロなどを貼っておくと、防寒になる。
また、昔からこの季節を木の芽時というが、この木の芽の吹き出すころには、犬や猫に盛りがつくことからも分かるように、自然界のホルモンの代謝が大きく変わるので、精神的不安定を招きやすくなる。そのため、自殺、万引きなどが増える。ちなみに、自殺は当事者の心理によるのであろうか、比較的温暖な日が続いた晴れの日に多いようだ。
さらに、木の芽時は憎き花粉症の時期でもあるが、日本の子供たちが杉の花粉を集めておままごとをしていても花粉症にならなかったという過去の記憶を振り返っても、花粉だけでは、花粉症は起こらない。
この自然界のホルモンの入れ替わる時期には生殖器だけでなく、目や鼻の粘膜が充血しやすくなり、そこに排ガスや杉やヒノキの花粉と日頃の食生活が影響して花粉症が発症するのである。
花粉症が増えはじめ、認知されたのは1963年のことである。60〜70年の10年間に、食生活は急速に欧米化され、砂糖の摂取量が9倍、乳製品の摂取量が23倍になっている。花粉症の多い地域は、アメリカ、ヨーロッパ、日本で、中国でもここ数年、症例が出はじめている。
また、これらの食品をほとんど摂取していない高野山では、全山が杉の植わった山であるにもかかわらず、とんと花粉症のうわさは聞かない。ここの食生活を見習って、この期間だけでも、砂糖などの甘味料と乳製品を最低限にして、ベジダリアンになるのも一つの知恵である。
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